パーソナルジムの開業に必要な準備や資金、手続きについて徹底解説

パーソナルジム_TOP 開業

フィットネス業界は、独立・開業が特に多い業界です。

雇われの身でトレーナーとしてある程度経験を積んだ後に、自分のジムを開業したいと考えている方も多いのではないでしょうか?

近年では、小型の店舗で少人数向けに運営する「マイクロジム」と呼ばれるパーソナルジムが非常に人気を持っており、少ない資金でも開業がしやすくなりました。

とはいえ、開業しやすくなったと言っても実際にどれくらいのお金が要るのか?お金を用意できたとして、開業するまでには何をすればいいのか?など、わからないことはたくさんありますよね。

本記事では、これからパーソナルジムの開業を考えている方へ向けて、必要な資金や今の段階から開業するまでにやるべきことをわかりやすく解説していきます。

パーソナルジム開業までの流れ

フィットネスクラブの開業とは異なり、パーソナルジムは小さく始められるのが魅力です。主な開業の流れは以下のとおりです。

  • どこで開業するかを決める
  • フランチャイズ加盟するかを決める
  • 開業資金の調達
  • 物件の契約
  • 開業届の提出
  • 料金を決める
  • 集客
  • 請求・決済システムの選定
  • 開業

以降は、それぞれの手順について詳しく説明していきます。

どこで開業するかを決める

どこでパーソナルジムを開業するか。立地は売上や事業運営に大きく影響します。開業場所としては「自宅で開業する」「テナントを借りる」「都度スタジオを借りる」の3つが考えられます。

ここでは、それぞれの開業場所について詳しく説明していきます。

自宅で開業する

パーソナルジムには基本的に大きな設備が必要ないので、マンションの一室でも開業することができます。

自宅開業は初期費用や運営コストをかなり抑えることができるので、スモールスタートする方法として非常に人気高い方法です。

とはいえ、自宅と教室が同じ場所ゆえのデメリットもしっかり存在するので、本当に自宅で開業すべきなのかよく考えておきましょう。

メリット

  • 改装や増築などを行わなければ最も費用を抑えられる
  • 自宅の光熱費や電話代、通信費などを経費として申告できる
  • 通勤をする必要が無い

デメリット

  • 住所が知られてしまうため防犯上のリスクがある
  • 近隣住民や家族の迷惑になる場合がある
  • 設置できる設備数に限りがある
  • 複数人同時に対応するスペースの確保が難しい

自宅で開業する最大のメリットは、やはりコストを抑えられる点です。開業資金については後述しますが、教室用のテナントを別に契約する方法に比べて初期費用に300万円以上の差が出ることも。

まずは早く始めたい。という場合は自宅で開業してしまうのが最も手っ取り早い方法でしょう。

ただし、何かトラブルがあった際に自宅が知られてしまっているというリスクもあります。また、パーソナルジムは騒音がする業種ではありませんが、頻繁な人の出入りは家族や近隣住民から嫌がられる可能性などもありますので、しっかりと周囲の理解を得る必要があります。

テナントを借りて運営する

テナントを借りて運営する方法は、パーソナルジムの開業方法としてもっともメジャーな方法です。

専用のスペースでしっかりと雰囲気作りもでき、店舗を構えているという点から信頼も得ることができます。

メリット

  • 複数人に対応するスペースを確保できる
  • 人の集まりやすい場所で開業できる
  • 店舗を構えていることによる信頼を得られる
  • 大型のマシンも導入できる

デメリット

  • 物件契約のためのコストがかかる
  • 毎月の家賃を支払い続けるための売上が必要になる
  • 開業までに時間がかかる

パーソナルジム用にテナントを借りれば、自宅では入りきらなかったような人数にも対応できるようになるので、より大きな売上が期待できます。

また、駅前や停留所前・商店街のような人通りの多い場所で開業すれば集客力も上がります。

開業にあたってそれなりの資金を用意する必要はありますが、ビジネスとしてしっかりと利益を上げていきたい場合はテナントを借りて運営するのがいいでしょう。

都度スタジオを借りる

上で説明した2つと違い、特定の場所で開業するのではなくレッスンのたびに都度スタジオを借りて運営する方法です。

初期費用を抑えつ自宅開業で発生する防犯上のリスクもケアすることができますが、独自のデメリットも存在するので、しっかり確認しておきましょう。

メリット

  • 初期費用を抑えることができる
  • 複数人へのレッスンにも対応できる

デメリット

  • 都度スタジオを予約する手間がかかる
  • レッスンのたびに準備・撤収をしなければならない
  • 大型のマシンは運搬が難しい

都度スタジオを借りる方法であれば、初期費用を抑えつつ一度に複数人のレッスンにも対応できるようになります。レッスンを行う時にだけ費用を払えばいいので、赤字になる心配も少ないです。

しかし、スタジオが予約できないとレッスンが開催できなかったり、レッスンごとに準備や撤収を行うなど、運営の手間は最もかかる方法になります。

フランチャイズ加盟するかを決める

開業するにあたって、フランチャイズへの加盟を検討している方も多いのではないでしょうか?

フランチャイズに加盟すれば、開業や運営において様々なサポートを受けることができる反面、フランチャイズ側に支払う費用が発生してしまうデメリットもあります。

本項にフランチャイズに加盟するメリットどデメリットをまとめてみたので、検討の際の参考にしてみてください。

メリット

  • ブランドの看板による集客が見込める
  • サービスの型を利用できる
  • 運営のノウハウを教えてくれる

デメリット

  • 加盟金を支払う必要がある
  • 本部にロイヤリティを支払う費用がある
  • 本部の経営方針に従わなければならない場合がある

最大のメリットは、フランチャイズブランドの知名度を利用して会員を集められるところでしょう。それに加えて、ジムを軌道に乗せるためのノウハウを得られるところも大きなメリットです。

完全に個人で立ち上げる場合、設備やレッスンの内容、集客の方法まで自分で考える必要がありますが、フランチャイズに加盟すればその部分に関して手厚いサポートを受けることができます。

その分通常の開業資金に加えて加盟料がかかったり、毎月売上からロイヤリティを支払う必要があるなど、相応のコストがかかってきます。

開業すること自体が初めてで、まずはコストがかかっても確実に上手くいくようにしたいという場合などはフランチャイズへの加盟を前向きに検討してもいいでしょう。

著名なフランチャイズ

パーソナルジムのフランチャイズには以下のようなものがあります。

ジムフィールド

開業資金の目安:約350万円
加盟数:17店舗

ジムフィールドは、日本全国に展開するパーソナルトレーニングジムです。
VRなどを使用した最新のトレーニングメニューを提供しています。

パーソナルジムAid

開業資金の目安:約520万円
加盟数:10店舗

パーソナルジムAidは関西を中心に店舗を展開するパーソナルトレーニングジムです。
集客力に定評があり、全くノウハウがない状態からでも手厚いサポートを受けながら開業することができます。

アルペンクイックフィットネス

開業資金の目安:約250万円
加盟数:51店舗

20~80代の主婦層やシニア層と幅広い層に人気のジムです。
個人事業主でも加盟可能です。

開業資金の調達

開業資金の調達は、パーソナルジムの開業にあたって非常に重要なステップです。特に、テナントを借りて開業したいという場合は一番のハードルになるポイントです。

以下にパーソナルジムで資金調達の際に検討しておくべき費用をまとめました。

イニシャルコスト(設備費)

  • 物件の賃貸料金
  • 内装などの工事費用
  • 備品購入費

ランニングコスト(運転費)

  • 賃貸料
  • 広告費
  • 水道光熱費
  • 人件費など

開業後の運転資金は最低でも3ヶ月以上は確保しておきましょう。物件の賃料にもよりますが、運転資金は最低でも1ヶ月あたり30万円は必要と言われています。

以降では、自宅やテナントで運営する場合などそれぞれの開業資金の目安を解説していきます。

開業資金の目安

自宅で開業する場合

自宅で開業する場合、賃貸料が発生しないため大幅に開業資金を抑えられ、極端な話であれば0円で今すぐ開業も可能です。

とはいえ、ジムとして運営するためにトレーニングスペースを用意する必要があるでしょう。大型のマシンは用意しないにしても、トレーニングに使う器具も用意しておきたいところです。

場合によっては部屋に防音工事をする必要もあります。

上記を全て検討すると、0円~最大で150万円ほど用意できていればいいでしょう。

テナントを借りて運営する場合

テナントは立地条件で賃料が大きく異なります。

地方や駅から距離のある物件であれば家賃20万~30万ほどの低額で借りることもでき、初期費用200万円程度で契約が可能と言われています。ただし、安いからといって田舎に店舗を構えても集客が困難となる可能性があるため注意が必要です。

しっかりと店舗を店舗を構える場合、パーソナルジムといえどいくつかはマシンを用意したいところでしょうでしょう。

そこに内装費用や運転資金も合わせ、開業資金としては最低400万ほどは用意しておきたいところです。

都度スタジオを借りる

都度スタジオを借りる場合は、物件に関する初期費用は0で済みます。器具に関しても持ち運べるレベルのものを用意することになるため、さほど高額になることはないでしょう。

音響機器などもスタジオ側で用意されていることが多いので、備品の購入も最小限で済みます。

スタジオを借りるための資金が数万円用意できれば開業可能です。

フランチャイズ加盟の有無による違い

フランチャイズへの加盟を検討している場合は、フランチャイズに支払う加盟料が必要です。

「どこに加盟するか」で開業資金が大きく変わってきますが、250万円~500万円程度を見込んでおくと選択肢が増えるでしょう。

調達に使える豆知識

これまで資金調達の目安を解説してきましたが、「どのように資金調達をしたら良いのかわからない」という人もいるでしょう。

ここでは以下の3つの資金調達方法について解説します。

  • 小規模事業者持続化補助金
  • 地域創造的起業補助金
  • 政策金融公庫

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金は、商工会または商工会議所の助言や指導などを受けながら経営計画を策定し、その計画に沿って販路開拓などに取組む費用について補助される制度です。

補助率は2/3で、最大で50万円の補助を受けられます。
具体的には以下の経費が補助対象とされています。

  • 機械装置等費
  • 広報費
  • 借料
  • 委託費
  • 外注費

このうち「借料」は、「事業遂行に必要な機器・設備等のリース料・レンタル料として支払われる経費」です。パーソナルジムにおいてはマシンのレンタル料金も補助対象となります。

詳しくは商工会または商工会議所のWebサイトを参照ください。

政策金融公庫

日本政策金融公庫には「新創業融資制度」というものがあります。

これは新たに事業を始める方を対象で、一定の要件を満たせば3,000万円を限度に無担保・無保証人で融資が受けられる制度です。

融資制度の要件のなかには「雇用創出等の要件」や「自己資金の要件」があります。詳しくは日本政策金融公庫の「新創業融資制度」のページで確認ください。

物件の契約

テナントを借りて開業する場合は、新たに物件を契約する必要があります。

本項では、物件の契約時に気を付けるべきポイントを解説していきます。

耐荷重・防音は問題ないか

一般的な居住用住宅の床を設計する際の積載荷重は「180kg/㎡」が建築基準法により定められていますが、トレーニング用のマシンを用意する場合は200kg/1㎡は確保しておいた方が良いでしょう。

テナントで店舗の売場として設計されている場合には「290kg/㎡」が基準となっているので、基本的には問題ないことが多いですが、念のため一度物件の管理者に確認したほうが安全です。

トレーニングジムではトレーニングマシンなど重いものを扱いますし、ベンチプレスに代表されるウエイトトレーニングでは主に衝撃音が問題になりがちです。

どの程度防音してくれるかに関しては物件の構造で大まかに把握することができ、SRC造 > RC造 > 鉄骨 > 木造の順で防音のレベルが下がっていきます。

パーソナルジムを運営したい場合は、最低でもRC造以上の物件を選択するようにし、ゴムマットや防音パッドを床、外壁に張るなどするようにしましょう。

換気機能は十分か

新型コロナウイルス感染症の影響はパーソナルジムの経営に大きな支障をきたします。物件の契約時には空調設備の換気能力の確認を行いましょう。

なお、新型コロナウイルス感染症対策としては「FIA(一般社団法人日本フィットネス産業協会)」が公表している新型コロナウイルス感染症対策のガイドラインを参考にすると良いでしょう。

開業届の提出

個人事業主であっても開業届の提出は義務でもあり、税制上の優遇を受けるために必要な申請です。給付金や補助金を受ける際にも「届け出していること」が必須条件にもなるため、開業届は必ず提出しましょう。

どこに出せばいい?

開業届の提出先は自宅を管轄する税務署です。提出方法は税務署に持参するか郵送するなどの方法がありますが、e-Taxでの提出をお勧めします。

e-Taxで提出する場合は自宅でPCを使って提出でき、税務署に行く手間はありません。

開業届の書き方

開業届自体は、国税庁ホームページから申請書のダウンロードが可能です。

書き方の例もHP内に記載されていますが、よく悩まれる記載項目について紹介します。

屋号や給与等の支払の状況などについては記入しなくても良いです。職業欄については「パーソナルトレーナー」で問題ありません。

開業届の提出期限は「事業の開始日から1ヶ月以内」とされていますが、過ぎていても罰則はないので安心してください。事業の概要もそれほど身構える必要ありません。「パーソナルトレーナーとして運動や食事の指導を行う」などで問題ありません。

迷うようであれば、税務署に電話して聞いてみても良いでしょう。

料金を決める

新規で開業する場合、競合に負けないためにも料金設定は非常に重要です。まずは業界の相場を把握し、自分が提供するレッスン内容などと合わせて検討していきましょう。

料金の相場はどれくらい?

大手パーソナルジムの場合

1レッスンあたりの料金は3万円~4万円ほど。月謝にすると1ヶ月あたり10万円~15万円程度が平均的です。ブランド力があるのはもちろん、店舗に設置されているマシンも最新型のものを用意しているケースがほとんどです。

小規模のパーソナルジムの場合

1レッスンあたりの料金は8000円~1万円ほど。月謝にすると1ヶ月あたり2万円~3万円程度が平均的です。大型のマシンを利用しない店舗も多いため、基本的には「トレーナーの時給」を念頭に計算するといいでしょう。

集客

レッスンの料金まで決めたら、いよいよ会員を集めましょう。

HPの用意

集客を実現するためには、まず店舗・サービスを認知してもらわなければなりません。その手段の1つがHPです。

HPの用意にあたってはどのように見込み客(ターゲット)に対してどの様なメッセージ(コンセプト)を訴求するかの検討が必要です。例えば「ボディメイク」なのか「ダイエット」なのかなど。

また、HPをしっかり用意しておくことによって入会を検討している人に対して安心感を与えることもできます。

HPを作るには「自分で作る」「制作会社に依頼する」の二つの方法があります。

自分で作る

自分で作る場合の費用は少額もしくは無料で済みます。HP制作の知見があればもちろん1から作成も可能ですが、一般的にはには無料のブログサービスや「Wix(ウィックス)」「Jimdo(ジンドゥー)」などの無料ホームページ作成ツールを利用することが多くなるでしょう。

制作会社に依頼する

制作会社に依頼をすれば、理想的なホームページが手に入り、SEO対策によってGoogle検索などでの集客も可能になります。しかし制作費用はやや高額。依頼する会社によって差がありますが5万円~50万円が相場と言えるでしょう。

具体的には、下記のような金額です。

  • 名刺代わりの簡単なHP:5万円~20万円
  • 一般的な集客用のHP:20~50万円。

開業初期からHPに50万円以上投資することはリスクが大きいため、現実的には少額でHPを作成することが多いです。

SNSを活用する

SNSでアカウントを作成し、情報発信を行っていくことも集客には効果的です。

具体的には以下のSNSです。

  • Facebook
  • Twitter
  • Instagram
  • YouTube

SNSで集客する方法をSNSマーケティングと呼びますが、実際は簡単ではありません。SNSの運用も難しく、外注する人も多いです。

パーソナルジムの集客に使用するのであれば、自宅で行える簡単なトレーニング方法の動画などを配信するのもいいでしょう。

もし苦手であればSNS運用が得意なスタッフを雇うか、外注することも可能です。

チラシを配る

自宅であれテナントであれ、店舗を構えて運営する場合は地域の住民に知ってもらう必要がありますので、店舗の付近や駅前でチラシを配るのが有効です。

地域の住民に向けてポスティングを行うのも効果的です。

新規オープンであれば、合わせて新規入会キャンペーンなども開催しておくといいでしょう。

請求・決済システムの選定

請求・決済システムは、開業後の売上請求~管理を効率的に行うためシステムです。創業期から準備することによって、開業直後でもお金や顧客管理を柔軟に行えるだけでなく、パーソナルジムの運営が快適になります。

また、現金だけでしか決済ができないジムと、現金決済、クレジットカード決済、そしてQRコード決済もできるジムでは、後者のほうが利便性は良く、集客面でもプラスになる可能性があります。

毎月の集金が楽になる

請求・決済システムを導入することで、毎月の月謝の集金が楽になります。多くの請求・決済システムは請求書の作成から集金までWEBで完結できるものが多く、管理も手間取りません。

入金の確認が不要になる

請求・決済システムを導入すれば、入金したかどうかの確認が不要になります。多くの請求・決済システムには入金後の確認を自動でおこなえるため、万が一、月謝未回収があったとしてもひと目でわかります。

また、自動催促機能も導入されていますので、月謝の未回収を忘れることもありません。

おすすめのシステム

請求・決済システムはたくさんの種類があり、どれを導入したらよいのかわからなくなってしまいがちです。

下記のページでは、月謝や会費の管理・徴収に使いやすいシステムをまとめています。

ぜひ参考にしてみてください。

開業

ここまで紹介してきました内容を実行すれば、いよいよ開業です!

開業後は経営者としての課題があると思いますが、ぜひ本記事で紹介した内容を参考に、夢のパーソナルジムの経営をスタートしてくださいね。

まとめ

本記事ではパーソナルジムの開業までにやるべきことや、知っておくべきポイントなどを解説してきました。

当社ではフィットネスジム運営における「入会手続き・会員管理・請求管理・決済・入金管理」のすべてを自動化できるサービス「会費ペイ」を運営しています。

初期・月額費用無料で導入できるので、パーソナルジムジムの開業をお考えの際はぜひ検討してみてください!