昔から定番の習い事ともいえる「そろばん教室」は、暗算が得意になるだけではなく、集中力を高めることや思考力の鍛錬、脳機能の向上にもつながる習い事として、今も人気があります。
また、算数や数学が苦手な子どもにも、習うことで数字に対する苦手意識を克服できる機会にもなっています。
そのような市場のニーズから、これまでに珠算や暗算の資格を取得している皆様は、そろばん教室の開業を考えているのではないでしょうか。
この記事では、そろばん教室・塾を開業するまでの流れと必要な資金などについて詳しく説明していますので、ぜひ最後までお読み下さい。
そろばんが必要とされている背景

冒頭でも説明しましたが、そろばん・暗算を学ぶことで得られる能力は、電卓やスマホ、パソコンが普及した現代においてもとても重要であることから、「そろばん・暗算を習いたい!」という生徒が多くいる習い事となっています。
日本珠算連盟によると、そろばん・暗算を学習することで以下の6つの力が培われるとしています。
- 注意深く観察する力
- イメージやひらめきの力
- 記憶する力
- 集中する力
- 情報を処理する力
- 速く聴き、速く読む力
そろばんを指導するための資格とは?
そろばん教室を開業するにあたって、『資格は必要ではありません』が、そろばん指導員の資格を取得しておくと、そろばんを教えることができる能力があることを生徒に伝えることができます。
そろばん・暗算の資格としては、日本珠算連盟の珠算能力検定試験・暗算検定試験と、全国珠算教育連盟の「珠算検定試験・暗算検定試験」はそれぞれに級・段位が設けられていますが、教室の指導員には別に資格が設けられています。
そろばんの指導員の資格として、日本珠算連盟が実施する珠算能力検定試験の有資格者を対象とした「珠算指導者養成講習会」と、全国珠算教育連盟が実施する「珠算教育者を目指す方を対象に開催される研修会」がありますので、開業の際には受講を検討しましょう。
そろばん教室・塾を開業するまでの流れ
それでは、そろばん教室・塾を開業するまでの流れを見ていきましょう。
1.指導内容の決定
そろばん教室で行う指導・レッスンの内容を決めましょう。例として、以下のような指導・レッスンの項目があります。
- そろばん(初級コース、中級コース、上級コース)
- 暗算
- 100マス計算
- 読み上げ算
- フラッシュ暗算
- 検定試験対策
- 高齢者向けの脳トレ・認知症予防
2.物件の手配・契約
次にそろばん教室を開業する場所を決めましょう。
そろばん教室は「自宅の空きスペースを活用するケース」と「テナント等を賃貸するケース」があります。
テナントやレンタルスペースを借りる場合は、駅からのアクセス、賃料、広さ、築年数などの条件から希望を満たす物件を探すことができます。また、そろばん教室という特性から、駅からの距離だけでなく、小学校や中学校からの距離・通いやすさ・送迎のしやすさ、近隣の競合の有無、駐車場の有無なども勘案して物件を選びましょう。
テナントは、条件によって費用に大きな差が出ますが、少人数のそろばん教室を開業するためのテナントの初期費用は、おおよそ30万円~100万円は見込んでおきましょう。
3.備品の購入
そろばん教室を開業するためには、生徒が使う机やイスをはじめとした備品を手配する必要があります。
【そろばん教室の備品の例】
- 机、椅子
- 黒板、ホワイトボード
- パーテーション
- ストーブ、エアコン
- そろばん
- パソコン
- モニター、スクリーン
- プロジェクター
- コピー機
など
生徒数に応じて用意する備品の数量が変わりますが、初期費用としておおよそ50万円~100万円を見込んでおきましょう。
4.チラシ・看板・ホームページの作成
そろばん教室の広告のためには、「チラシ」、「看板」、「ホームページ」が有用でしょう。
チラシは、近隣地域への新聞折り込みやポスティング、小学校への配布依頼、地域の掲示板や集会所での宣伝などで、広く、その地域に住んでいる方に知ってもらえる方法を考えましょう。
看板は、教室がどこにあるかわかりやすくするためだけではなく、教室があることを知ってもらうことにも繋がっています。特にテナント等を借りる際は、看板を設置できるかどうかを確認しましょう。
ホームページには、運営するそろばん教室の情報をたくさん載せることができるので、教室に興味を持った方が「もっと詳しく知りたい」と思った時に役立ちます。教室のコンセプト、コース、レッスン内容、時間、料金、アクセス、問い合わせ先などを教室の雰囲気がわかる画像と共に載せましょう。
チラシや看板、ホームページの制作費用として、おおよそ20万円~30万円を見込んでおきましょう。
5.利用申込の受付・契約
ここで、いよいよそろばん教室を開業することになります。
広告を見て、入会についての問い合わせや入会希望の連絡が来たら、重要事項を説明して入会申込書の記入をしていただきます。
また、入会申込書と合わせて、月謝の支払いのための口座引落申込書等を渡し、手続きを進めていただきます。
6.珠算能力検定の試験
そろばん教室の運営が始まると、生徒のレベルに合わせたレッスンを行うことになります。
そして、学習の進捗度を図るためやレッスンの目標として、生徒に珠算能力検定などの試験を受けていただくことになります。
【日本珠算連盟(日本商工会議所)の検定試験】
- 珠算能力検定試験:10級~1級(準1級~準3級含む)
- 段位認定試験:準初段~十段
- 暗算検定試験:10級~1級(準1級~準3級含む)
- フラッシュ暗算検定
【全国珠算教育連盟の検定試験】
- 珠算検定試験:級位試験(15級~1級)、段位試験(準初段~十段)
- 暗算検定試験:級位試験(10級~1級)、段位試験(準初段~十段)
- フラッシュ暗算検定試験::級位試験(20級~1級)、段位試験(初段~十段)
- 算数チャレンジ検定:級位試験(11級~1級)
そろばん教室の運営で大変だと感じることとは?

生徒集め
そろばん教室を運営していくうえで、「生徒集めが大変だ」と感じる方は多いようです。
そろばん教室のメインターゲットは「小学生・中学生」となりますが、現在少子化が進んでいることで、子どもの人数が減っている地域が多いです。また、昔からある習い事なので、地域の中に競合となる教室がすでにあるケースも多いでしょう。
そのような背景から、生徒を集めることに苦労する人が多いようです。
検定試験の試験対策
先ほどもお伝えしたように、そろばん教室に通う生徒は「検定試験に合格すること」を目標としていることがあります。
そのために、検定試験の対策として練習問題・模擬試験の実施・解説などを行うのが一般的です。講師も生徒も努力した結果、合格すると更なる学習に繋がりますが、もし不合格になってしまった場合には「珠算をやめてしまうこと」や「教室をやめてしまうこと」に繋がってしまう可能性があります。
このように試験対策が成果にマイナスの影響となってしまうようなケースだと大変だと感じるようです。
生徒の会員情報管理と月謝の請求・入金管理
書道教室を運営するうえで、生徒の情報の管理は個人情報としてセキュリティ面で不安を感じたり、月謝の請求、入金の管理などの事務業務に煩雑さを感じる方も多いのではないでしょうか?
このような業務は、セキュリティ面の安全性を担保し、効率化を図るためにシステムを導入するのが良いでしょう。
事務業務の負担とミスを減らし、教室の運営やレッスンに集中するために『会費ペイ』のようなWEBでの入会申込受付、会員情報管理、請求・入金管理が一気通貫で行うことができるシステムを導入することをおすすめします。
まとめ
そろばん教室・塾を開業するために必要な情報をご紹介してきましたがいかがでしたか?
そろばん教室は、現在も人気のある習い事ですが、地域によって充足状況に差があります。近隣のそろばん教室や習い事教室の実施状況なども調べて、教室を開業する地域を決めましょう。
本記事でご紹介した内容が、そろばん教室を開業を検討している皆様のお役に立てば幸いです。
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