料理教室の開業に必要な準備や資金、手続きについて徹底解説

開業

料理教室は、個人で開業する教室として非常に人気の高い分野です。

「以前講師として働いていて、自分の教室を持ちたい」
「普段知人にふるまう料理が好評で、教室を開いてくれと頼まれている」
「自宅でできるビジネスとして、得意分野を生かしたい」

などの理由で、料理教室の開業を検討している人も多いのではないでしょうか?

とはいえ、いざ開業となると開業場所の選定やレッスン料金の設定など、考えなければいけないことが盛りだくさんで少し尻込みしてしまいますよね。また、調理師免許などを持っていない状態で教室を開いて良いのかという不安もあります。

今回はそんな

「料理教室の開業を考えているけど、実際に何をすればいいかわからない」

という方に向けて、料理教室の開業に必要な準備や資金、手続きを徹底解説していきます。

料理教室開業までの流れ

始めに、料理教室開業の流れについて解説します。

どんな料理教室を開業するのかによっても流れは多少変わってきますが、基本的には以下のような流れになっています。

  • 開業する場所を決める
  • 開業資金の調達
  • 物件の契約
  • 開業届の提出
  • レッスンの価格を決める
  • 集客
  • 請求・決済システムの選定
  • 開業

ここからは、それぞれ手順について詳しく解説していきます。

開業する場所を決める

最初に検討するのは「どこで教室を開くのか」という点です。

基本的には、自宅で開業する・キッチンスタジオを借りる・テナントを借りるの3択になるでしょう。ここではそれぞれのメリット・デメリットをご説明していきます。

自宅で開業する

自宅で開業する場合、初期費用や家賃といった諸経費を大きく抑えることができます。

一度に大人数を相手にするのには向きませんが、知人を中心に小規模な教室を運営したい場合は一番適した方法と言えます。集客に関しても、学校や地域のコミュニティなどに所属している方は比較的集めやすいでしょう。

集客方法については、近所の家にチラシを配ったり、近所の公共施設やレストランなどに広告のポスターを貼って宣伝したりする方法があります。

反面、自宅に入れる以上、セキュリティの観点からもある程度近しい関係の人しか生徒にしづらく、大きな収益は望めないというデメリットもあります。

キッチンスタジオをレンタルする

レッスンの頻度がそこまで多くないのであれば、都度キッチンスタジオをレンタルするという方法もあります。こちらも自宅での開業と同じく初期費用を抑えることができ、さらにセキュリティ面での不安もありません。

内装もおしゃれなスタジオが多く、生徒の満足度も高くできるでしょう。

教室として使えるレベルのキッチンであれば、1時間あたり5000円ほどで借りることができます。場所や広さによっては1000円程度で借りられる場所もあるようです。

デメリットとしては、都度予約していく必要があるため毎回同じスタジオを使えるわけではないという点、レッスンの回数が増えるほどコストが増していく点などが挙げられます。

教室用のテナントを借りる

本格的な教室を開業するのであればテナントを借りるのが一般的です。

それなりの資金を用意する必要はありますが、生徒数が多くなってきても対応することができ、内装や調理器具にこだわることもできます。

店舗用のテナントであれば、安いところで家賃は30万程度です。1レッスンが2時間程度だとして、月に30レッスン以上行うような場合であればスタジオを借りるよりも費用を抑えることができます。

自分の生活の軸として腰を据えて収益を上げたいという場合であればテナントを借りて教室を運営することをおおすすめします。

開業資金の調達

次は開業資金についてです。

どこで開業するかによって初期費用は大きく変わってきますが、料理教室の開業に向けて事前に初期費用を計算し、開業予算を明確にしましょう。

開業場所ごとの必要資金の目安

自宅で開業する場合

自宅で開業する場合、ある程度キッチンに広さがあるのであればそこまでの初期費用は不要です。集める生徒も近しい友人などになるかと思いますので、広告宣伝の費用も掛からないケースがほとんどです。

もし生徒用の調理器具を教室側で用意する場合は、10万円ほど用意しておくとよいでしょう。

ただし、最低でも2名が入れるキッチンや作った料理を食べるスペースを考えると一人暮らし用の家だと少々厳しく、最低でも1LDK程度の間取りは必要です。

自宅での開業を考えている場合は、十分なスペースを確保できているのかを考え、場合によっては引っ越しなども検討する必要があります。

キッチンスタジオをレンタルする場合

キッチンスタジオを借りる場合も、自宅で開業する場合と同じく初期費用はそこまでかかりませんが、スタジオのレンタル代を支払うことを考えると生徒を集める工夫はしておく必要があります。

この場合は調理器具も基本的には生徒側に用意してもらうことになるでしょう。

1レッスンあたりにかかる施設のレンタル費用はだいたい1万円ほどですので、開催したいレッスンの回数×1万円程度は最低でも用意しておいた方が良いでしょう。

教室用のテナントを借りる場合

テナントを借りて料理教室を運営する場合、最低でも300万円以上は必要になると考えておいた方が良いでしょう。

内訳としては物件契約の初期費用が大半を占めます。教室運営に使用できるテナントとなると安くとも家賃は20万から30万程度かかり、居住用の物件と違い6か月分ほどの家賃を先に納入する必要があります。

それに加え内装費用や備品の購入、HPの制作費用やチラシの印刷代などもかかってきます。

集客や利便性を求めて駅の近くや商業施設のなかにテナントを借りて運営する場合は、家賃が100万以上ということも多く、さらに多額の費用が掛かるでしょう。

資金調達に使える豆知識

ここまでは開業資金の目安をお伝えしてきましたが、そのすべてを自分で用意しなくとも、開業資金の助けになる制度がたくさんあります。

ここでは、その中でも特に使いやすいものをいくつか紹介していきます。

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金」とは、従業員数が20人以下の小規模事業者を対象にした制度です。補助金の受取には一定の条件があり、補助金額は最大で50万円。

制度の名目上、事業を持続するためのサポートをする制度なので、
・開業届を提出している
・法人化をしている
上記のいずれかを満たしておく必要があります。

商工会議所でサポートを受けながら申請ができるので、条件に当てはまる場合は補助金や助成金などを活用していきましょう。

地域創造的起業補助金

地域創造的企業補助金」とは、創業時に必要な経費の一部を国や地方公共団体が補助してくれる制度です。
開業してから1名以上の従業員を雇用する予定の法人や個人事業主が対象です。

以前は「創業補助金」という名前でしたが、2018年に「地域創造的企業補助金」という名前に変更されました。「創業・事業承継補助金」と名前が似ていてややこしいですが、運営している会社が異なるだけで制度自体の内容は一緒です。

「地域創造的企業補助金」の最大のメリットは、
・返済不要
・創業前でも申請が可能
という2点です。

「地域創造的企業補助金」の受給条件を満たしている個人事業主の方は多いので、積極的に活用していきましょう。

政策金融公庫

最後にご紹介するのが、「政策金融公庫」から融資を受ける方法です。

創業期に日本政策金融公庫で融資を受けることで、会社の信用実績をあげることが可能です。信用実績をあげることで、結果的に他の銀行からの融資を受けやすくなります。

「政策金融公庫」のメリットは
・無担保・無保証で受けられる
・審査のハードルが低い
・審査のスピード感が早い
などが挙げられます。

物件の契約

続いては、料理教室を開業する物件の契約について解説します。

そこまで大きな物音がするような教室ではないので、条件はそこまで厳しくはありませんが、料理教室ならではのポイントもあるので、ここで確認しておきましょう。

料理教室用の物件選びで注意しておく店

居住用物件の場合「店舗利用」が許可されているか

大掛かりな店舗用テナントではなく、広めの居住用物件を借りて教室を運営したいという人も多いでしょう。

ある程度機能的なキッチンを備えた物件であれば料理教室を開くことは難しくありませんが、居住用に用意されている場合、そもそも人の出入りが頻繁な「店舗」としての利用を禁じている物件もあります。

最初は特に何も言われなかったけれど、軌道に乗って人の出入りが増えてから営業禁止…といったことにもなりかねないので、店舗としての利用が可能かは事前に確認しておきましょう。

換気機能は十分か

料理教室を運営する場合、通常の店舗や住居に比べて強い匂いを発する機会が多くなります。

十分な換気機能を備えていない物件を選んでしまうと、前回のレッスンの匂いが残ってたり、内装に匂いが染みついてしまう可能性もあります。

飲食店用のテナントなどを参考に、換気機能を備えていることを確認しておきましょう。

集客に適した立地

せっかく専用の物件を構えるのであれば、それ自体にも集客効果を持たせたいものです。

ある程度大通りから見える位置にある物件であれば、看板を出したりオープンキャンペーン用の旗を立てておくなどをすることで、通りかかった人の興味を引くことができます。

開業届の提出

開業に向けた準備が整ったら、開業届を準備します。

開業届は国税庁の公式HPからダウンロードできます。

開業届(引用元:国税庁HP)

開業届の提出先

開業届の提出先は、事業主(個人事業主)の住所の管轄がある税務署になります。管轄の税務署は以下の国税庁のHPに載っています。

税務署の所在地などを知りたい方(引用元:国税庁HP)

開業届の書き方

開業届の記入にあたって必要なものは

・個人事業の開業届出・廃業届出書
・マイナンバーカード(個人番号がわかればOK)
・印鑑
・本人確認書類
・青色申告承認申請書

以上の5点です。

続いて、開業届の書き方について解説します。

開業届に記入が必要な項目は全部で10個です。

1、提出する税務署名・提出日
2、納税地
3、氏名・生年月日・個人番号
4、職業・屋号
5、届出の区分
6、所得の種類
7、開業・廃業等日
8、開業・廃業に伴う届出書の提出の有無
9、事業の概要
10、給与等の支払いの状況

上から丁寧に情報を記入していけば、誰でも簡単に作ることが可能です。

国税庁のHPにも記入例が載っているので、困ったときはそちらを参考にしましょう。

開業届の書き方(引用元:国税庁HP)

レッスンの価格を決める

続いては、料理教室のレッスン価格についてご紹介していきます。

レッスンの提供形態によっても価格が変わってきますので、以下を参考にしながら決めてみてください。

クラス制であれば1回あたり4000円~6000円が相場

一度に4~5人に対してレッスンを行うのであれば、1回あたりの料金は3000円から5000円ほど。ここに食材の料金を足して金額を決定するパターンが多いようです。

スタジオを借りても経費が50%ほどで収まるように計算しておくとよいでしょう。

マンツーマンレッスンであれば1回あたり12000円~15000円程度が相場

マンツーマンレッスンの場合、時間あたりで対応できる生徒数が少ないため、1回のレッスン料金はクラス制の2倍~3倍程度が相場になっています。

マンツーマンの場合はそこまで広いスペースは必要ないため、自宅でレッスンを行う方が多いようです。

月謝制の場合7000円~10000円程度が相場

レッスンごとではなく、月に〇回、という形で月謝制を採る場合もあるでしょう。

参加回数に関わらず安定してお金が入ってくるため、生活の基盤としたい場合にぴったりです。

この場合、レッスン1回あたりの料金がクラス制の50%ほどになるような料金設定にしておくことが多いようです。

集客

レッスンの価格まで決めたら、生徒を集めましょう。

HPを用意する

集客を行っていくにあたって、まずはHPの用意をしましょう。小規模な教室であればHPは不要かとも思えますが、せっかく知ってもらっても、HPが無いと「本当にちゃんとした料理教室なのか?」と不安に思われてしまう可能性もあります。

HPを用意する場合は、自分で用意する方法と制作を依頼する方法があります。自分で用意する場合は「Wix」などのサービスを使って作るケースが多くなるでしょう。

制作を依頼する場合、費用は掛かってしまいますが、出来上がりのクオリティが高くなり、教室の信頼度UPに貢献してくれるでしょう。

チラシ配りやポスティングを行う

HPの用意ができたら、いよいよ自身の教室を広めていきましょう。

自宅であれテナントであれ、店舗を構えて運営する場合は地域の住民に知ってもらう必要がありますので、店舗の付近や駅前でチラシを配るのが有効です。

新規オープンであれば、合わせて新規入会キャンペーンなども開催しておくといいでしょう。

SNSで宣伝する

最近では、SNSでお客様を集める人も増えています。代表的なSNSツールは以下の通りです。

• Twitter
• Instagram
• Facebook
• YouTube

料理教室であれば、簡単なレシピなどを動画にしておくことで講師のレベルをアピールすることもできるので、SNSとの相性は非常に良いと言えます。

特に写真や動画がメインになるInstagramとの相性はひときわ良いので、必ず活用するようにしましょう!

請求・決済システムの選定

開業初期からシステムを用意する必要はないかと思われがちですが、業期から準備することによって、開業直後でもお金や顧客管理を柔軟に行えるだけでなく、料理教室の運営が快適になります。

小規模な教室でもシステム導入のメリットはある

請求・決済システムを導入しないまま手書きでの記帳や管理をしていると、年度末に所得税等の税金を申告する確定申告の時に、書類の記載が手間になってしまいます。

請求・決済システムを取り入れることで生じるメリットを2つ紹介しますので、請求・決済システム導入の指標にしてみてください。

毎月の集金が楽になる

請求・決済システムを導入することで、毎月の月謝の集金が楽になります。多くの請求・決済システムは請求書の作成から集金までWEBで完結できるものが多く、管理も手間取りません。

入金の確認が不要になる

請求・決済システムを導入すれば、入金したかどうかの確認が不要になります。多くの請求・決済システムには入金後の確認を自動でおこなえるため、万が一、月謝未回収があったとしてもひと目でわかります。

また、自動催促機能も導入されていますので、月謝の未回収を忘れることもありません。

レッスンごとの支払であれば、予約と決済が行えるものがベター

レッスンごとにお金を貰うタイプの場合、レッスンの予定を公開しておき、事前に参加の予約をしてもらう形になります。

当日に集金することももちろん可能ですが、予約と決済が一体化したシステムを利用すれば、持ってき忘れの防止や、後から誰のお金を貰ったのかを管理する手間を省くことが可能です。

おすすめのシステム

Coubic

初期費用・月額費用0円で導入できる予約・決済システムです。

集客用のポータルサイトとしての機能も持っているため、レッスン予約制の教室を運営するのであれば導入を検討してみることをお勧めします。

月謝制であれば、会員管理と自動決済が行えるものがベター

月謝制の教室を運営するのであれば、自動的に毎月決済を行えるシステムを導入するのが良いでしょう。

これによって集金の手間もなくなり、支払漏れの防止できます。生徒管理の機能をも持ったシステムを利用すれば、月謝の回収状況も管理する必要がなくなりますので、運営者側はレッスンやレシピの研究に時間を注ぐことができるようになります。

おすすめのシステム

会費ペイ

入会申込・生徒管理・請求管理・毎月の決済・入金状況の管理のすべてを一括で自動化できるシステムです。

月謝制ビジネスに必要な機能を全て持っており、初期・月額費用も0円で導入できるため、月謝制での運営を考えている場合はぜひ導入を検討してみてください。

開業

ここまでくれば、最後は教室の開業を待つのみです。

ぜひ本記事で紹介した内容を参考に、料理教室をスタートしてください!