決済代行会社とは?仕組みや導入方法、選定基準を徹底解説!

コラム

昨今、キャッシュレス・ポイント還元事業のポスターを街で見かける機会が増えてきました。クレジットカード決済、コンビニ決済、電子マネー決済といった決済サービスの導入を検討している事業者の方も増えているのではないでしょうか。

そんな時におすすめなのが「決済代行会社」です。本記事では決済代行会社の役割やサービス、選定の基準等を解説していきます。

決済代行会社とは

そもそも決済代行会社とは何かについて解説します。

さまざまな決済サービスをまとめて提供しくれる会社

まず、決済サービスには、以下のようにいろいろな種類があります。

・クレジットカード
・コンビニオンライン
・コンビニ伝票
・コンビニ後払い
・電子マネー
・口座振替
・ペイジー
・QRコード決済

カード会社やコンビニ、銀行、ケータイキャリアのような、大元の決済サービスを提供している「決済インフラ会社」と、これらの導入を検討する「事業者」をつなぐ仲介役を担っているのが「決済代行会社」です。

決済代行会社を利用せずに決済サービスを導入した場合の図

例えば、事業者がオンラインショップに、クレジットカード決済とコンビニオンライン決済を導入しようとしているとしましょう。

決済代行会社を利用しない場合、事業者はカードブランド毎、コンビニ毎でバラバラに[加納1] 契約を行わなければなりません。
※この記事ではクレジットカード会社やコンビニ、ケータイキャリア等、決済手段そのものを購入者に提供する会社を決済インフラ会社と呼びます。

決済代行会社を利用して決済サービスを導入した場合の図

決済接続のイメージ

一方、こちらは決済代行会社を利用した場合です。事業者は決済代行会社と契約するだけで、全てのカードブランドとコンビニの決済が導入できます。

決済代行会社を利用するメリット

決済代行会社を利用するメリットは4つあります。

1.契約が一本化される

決済代行会社と一度契約してしまえば、あらゆる導入手続きが完了します。

前述の図の通り、決済代行会社を利用しない場合は契約機関の各社の審査基準を通過して契約をすることが必要になります。そのため導入時の提出書類が膨大で、手間もかかります。

2.システム接続が一本化される

決済代行会社は複数の決済サービスの開発仕様を一つにまとめて提供してくれるので、開発を一本化して開発工数を削減することができます。決済インフラ会社毎に仕様書をもらって開発をする必要がありません。

3.入金が一本化される

複数の決済サービスを導入していたとしても、決済代行会社を利用している場合は、締日や入金日、入金元口座が統一され、明細までもらえるので、管理が容易になります。

カードブランドやコンビニ毎に締め支払が違うと、経理処理が煩雑になるので一本化されていると非常に助かります。

4.何かあったときの相談先が一本化される

どんな相談も決済方法に関係なく、決済代行会社に問い合わせるだけで完結します。起きた問題を決済インフラ会社毎に相談するのは面倒なので、決済に関する相談先を一つに絞れるのは魅力的ですよね。

決済サービスにはどんなものがあるの?

ここでは主要な決済サービスと導入シーンを紹介していきます。

クレジットカード

決済サービスの中で最もメジャーな決済サービスです。

店頭ではプラスチックカードの磁気もしくはNFCを読み取り、暗証番号を入力して支払を行います。WEB上ではプラスチックカードに記載されたカード番号や有効期限、セキュリティコード等を入力して支払を行います。

購入者にとっては、支払即時で口座から引き落とされるわけではなく、月末締め翌月払い等の「後払い」になり、ポイントまでたまるので、購入者としては是非利用したい決済方法となっています。

小売業・飲食業・サービス業・オンラインショップ・チケット販売・公共料金・家賃・税金等、ありとあらゆるシーンで導入されています。

コンビニオンライン

WEB上で支払用の番号が発番され、その番号をコンビニのキヨスク端末(loppiやFamiポート)に打ち込み、出てきた伝票をレジに持って行ってお支払いをします。

カードを持っていない人や、WEB上でカード番号を打ち込みたくない人に人気の決済方法です。主にWEB上のオンラインショップ等で導入されています。

コンビニ伝票

コンビニのレジにバーコードの入った伝票を持っていき、支払をします。公共料金の支払や検定の受験料金の支払、カタログ通販等でよく利用されている決済サービスです。

コンビニ後払い

商品に同梱されて送られてきた請求書(コンビニ伝票)を、購入者がコンビニに持っていって料金を支払います。届いた商品の品質を確認してから支払ができるため(つまり後払いができるため)、購入者にとって安心の決済サービスです。

また、事業者にとっては未収リスクを決済代行会社が請け負ってくれるため、未回収の心配がありません。それゆえ、ここ数年でオンラインショップ(EC市場)に爆発的に広まった決済サービスです。「NP後払い」や「GMO後払い」といったサービスがこれにあたります。

電子マネー

専用のカードやアプリにお金をチャージし、チャージ金額から支払を行う決済サービスです。Suicaや楽天Edy、nanaco、WAON、ID等がこれにあたります。

FeliCaを利用した非接触のタッチ決済(かざして決済)が主流で、主に小売店や飲食店の端末機での支払等で導入されています。

口座振替

購入者の保有する金融機関口座から自動で料金を引き落とす決済サービスです。一度口座登録をしてしまえば、毎月自動的に決済を行うことができるようになります。

継続的な決済ニーズのある、公共料金や家賃、フィットネスジム、スクール等での導入が多い決済サービスです。

ペイジー

WEB上で支払用の番号が発番され、その番号でインターネットバンキングやモバイルバンキング、ATM等で支払を行う決済サービスです。税金や公共料金等で導入されています。

キャリア決済

購入者がスマホやインターネット通信等の利用料金と一緒に、まとめて他の商品の支払を行う決済サービスです。手続きが簡易で購入者の支払ハードルが低い一方、事業者にとっては手数料の高い決済サービスのため、利益率の高いゲームやコンテンツといったシーンで導入されています。

QRコード決済

PayPayやLINEPAY、merpayに代表される、スマートフォンアプリにQRコードを読み込ませて支払を行う決済サービスです。端末機が不要なことと、大型の消費者還元キャンペーン競争、そして期間限定で事業者の手数料が0%であること、経済産業省のキャッシュレス還元事業によって、ここ1年でかなりの店舗に導入が進みました。

決済代行会社を選ぶ基準は?

決済代行会社を選ぶノウハウと、導入対象の事業別におすすめの決済代行会社・決済サービスをご紹介いたします。特に導入対象の事業によっては選び方が全く変わってきます。

オンラインショップやWEBサービスに決済を組み込みたい場合

組込用のAPIを公開している決済代行会社を選ぶと良いでしょう。その中でも付加価値サービスやセキュリティについてどれほど力を入れているかを確認することをお勧めします。

手数料は交渉していくとどこの決済代行会社を選んでもさほど変わらない料率になっていきます。また、ECカート等をご利用の場合は、カート事業者で推奨の決済代行会社が決まっている場合もあるので、決済代行会社を探す前にECカート事業者に確認すると良いでしょう。

GMOペイメントゲートウェイ

導入加盟店数11万越えの業界最大手の決済代行会社です。公共料金や税金等公的な事例が多く、また金融機関と提携して「銀行Pay」を提供する等、大手向けのソリューションが充実しています。

また、オンラインショップで導入が広がっているコンビニ後払いの「GMO後払い」を提供しており、オンラインショップで決済を導入する場合は是非検討に加えたい1社です。

メタップスペイメント

組込用のAPIだけでなく、実店舗でのクレジットカード決済を提供する等、幅広い決済サービスを取りそろえた決済代行会社です。専任の担当者がついてくれるので、これからオンラインショップを開設する方や、決済について色々と相談したいとお考えの事業者に最適です。

Stripe

グローバルで展開する決済代行会社です。36か国で利用でき、そのトランザクション数の多さを活かした不正検知や、CtoCのプラットフォーム向けの口座登録・入金API、カード発行API等が特徴です。トランザクションが多く不正利用に悩むオンラインショップや、越境ECの事業者にお勧めです。

店舗(フィットネスやスクール)に継続課金を導入したい場合

月会費ビジネスにおいての継続課金は、顧客情報や請求情報と密接に関係します。顧客管理ツールや請求管理ツールとパッケージ化したサービスを提供している決済代行会社を選ぶと良いでしょう。また、カード決済と口座振替は必須で取り揃えたいところです。ここではシステム開発が一切不要のサービスを紹介いたします。

会費ペイ

入会申込フォーム・会員管理システム・請求管理システム・決済を全て一つのシステムで提供するサービスです。月会費ビジネスに必要な機能が一通りパッケージ化されています。決済方法はクレジットカード決済、口座振替・コンビニオンライン決済の3種類が利用できます。また、会計ソフトのfreeeと連携することで、会計処理まで自動化できるようです。初期費用と月額費用が0円で最短3営業日導入であることも大きな利点ですね。。

SQUARE(スクエア)

メインとして単発の請求の機能を提供する請求・決済ツールです。クレジットカード決済しか利用できませんが、その分シンプルで利用しやすいサービスです。また、簡易的な継続課金や店頭でのスマホ決済にも対応しています。

店舗(飲食店や洋服屋)に端末機を設置したい場合

店舗に端末機を設置する場合は、お使いのレジと連動できる決済代行会社を選ぶと良いでしょう。また、利用できる電子マネーの数も要チェックです。

AirPAY(リクルート)

Airレジと連動できる、リクルートが提供する店頭スマホ決済ツールです。決済方法は全29種類あり、他社と比較しても多い印象です。また、サポートが手厚く、ヘルプデスクは年中無休(9:30〜23:00)で受付をしてもらえるので、わからないことがあっても安心です。

コイニー

クレジットカード決済だけでなくQRコード、電子マネーによる決済も可能です。また決済時にクラウドに同期され、決済状況をいつでもどこでも確認できます。アカウントを増やして複数人での決済業務ができるようになる等、便利な機能が多くあります。

Uペイ

Uペイの導入にはUペイ端末、レジプリンターiPhoneまたはiPadを1台を用意する必要があります。しかし端末とプリンターはUペイを運営している株式会社USENから無料でレンタルできるため、iPhoneまたはiPadさえ用意できれば導入可能です。つまり端末代はほぼ0円といっても良いでしょう。

イベントのチケット販売に決済を導入したい場合

チケット販売システムと決済をパッケージ化したサービスを提供している決済代行会社を選ぶと良いでしょう。ここでもシステム開発一切不要で、簡単にチケット販売が開始できるサービスを紹介します。

イープラス

言わずと知れたプレイガイドです。チケットの配送、コンビニ、電子チケット等顧客のニーズに合わせたチケット販売ができます。さらにイベントの告知をしてもらえる等のサービスが受けられ、事業者の活動を支援してもらえます。

イベントペイ

チケット購入者が会員登録不要でチケット購入できる数少ないサービスです。電子チケットやキャンセル待ち、領収書機能、帯イベントのためのカレンダー機能等、かゆい所に手が届くサービスです。初期費用・月額費用が0円で、導入コストで悩む必要がありません。最短で3営業日内に利用開始できるため、イベント開催日が近い方にもおすすめです。

peatix

会員登録は必要ですが、専用アプリにてイベントを告知したり、コミュニティを作ることができるサービスです。継続的にイベントを開催したり、参加者とのリレーションを可視化したい場合におすすめのサービスです。

まとめ

今回は、決済代行会社について、メリットや選定基準についてお伝えしてきました。
決済代行会社を利用するには4つのメリットがあります。

・契約が一本化される
・システム接続が一本化される
・入金が一本化される
・トラブル時の相談先が一本化される

また、ご自身のビジネスにあわせた決済代行会社やサービスを選ぶことで、決済にとどまらず、様々なメリットを得ることができます。