生徒の名簿やそれぞれの成績、指導の記録や出欠席の状況など、塾を運営していくにあたって管理しなければいけない生徒の情報は膨大です。
少人数のうちであればエクセルと指導日誌などでなんとか運用できるものの、教室1クラス分の人数以上になれば管理だけでも大仕事です。
実際、塾講師として勤務している方は授業が終わってから様々な情報の更新や指導の記録をつけているため、どうしても長時間の労働になってしまいがちです。
そして、塾の運営側は各講師が提出してきた指導記録や出欠席データをさらに管理するのに加え、月謝の徴収や徴収状況の確認も行わなければいけません。
しかし、そんな煩雑な管理業務も生徒管理システムを導入することで大幅に自動化が可能なんです。
本記事では、生徒管理システムを導入することでどんなことができるようになるのかに加え、現在生徒管理によく使われているシステムをご紹介していきます。
生徒管理システムでできること
生徒管理システムで行うことができるのは大まかに4つの業務です。
本項目ではそれぞれに業務が抱える課題と、生徒管理システムの導入によってどのように解決できるのかについて詳しく説明していきます。
成績管理
模擬試験や塾内で行われた小テストの結果をエクセルデータで管理しているという方は多いのではないでしょうか。
試験ごとに作成されている受験者とその結果の一覧をもとに、生徒それぞれの情報を管理しているエクセルに試験結果を打ち込んでいく作業は非常に煩雑です。
生徒管理システムを導入すれば、試験ごとの結果をアップロードするだけで、それぞれの生徒情報に自動的に紐づけを行ってくれるようになります。
出欠管理
出欠席の管理も非常に煩雑な業務のひとつです。
授業が始まる前に出席予定の生徒一覧を印刷し、一人ひとり名前を呼んで出席をチェック。欠席があれば授業が終わった後に出欠席情報を生徒毎のエクセルに入力し、振替授業の手配を行う必要もあります。
生徒管理システムを導入すれば、パソコン上から1クリックで出欠状況を入力・記録できたり、カードを使った入退館システムと連動して自動的に出欠席の記録を残すこともできます。
また、振替授業の調整もできるシステムもありますので、煩雑な業務を一気に自動化できます。
月謝の徴収
毎月の月謝徴収も煩雑・かつミスが起きやすい業務です。
月謝袋での徴収を行っている場合、授業が始まる前や授業後に生徒に向けて月謝徴収のアナウンスを行い、教壇で回収しているケースがほとんではないでしょうか。
複数人が一気に月謝袋を渡しに来るため、誰からもらったのかをチェックしていくのも一苦労です。さらに、一度の徴収で全員分のお金が集まればよいですが、支払い忘れが発生した場合は毎授業徴収の状況を確認し、対象者にアナウンスを行う必要があります。
生徒管理システムの中には月謝の徴収機能を備えたものも存在し、口座振替やクレジットカード決済によって自動的に月謝を徴収してくれます。
保護者への報告
生徒の成績や学習の進捗状況など、保護者に伝えなければいけない情報もたくさんあります。
多くの場合では、テスト結果や学習の進捗状況をプリントした紙を生徒に渡す、定期的に保護者との面談を行うといったアナログな方法を取っており、報告一つするだけでも情報の整理や資料の印刷が必要です。
生徒管理システム導入することによって、システムから抽出した情報をメールやLINEで一斉にお送ることができたり、保護者自身が生徒の情報が記載されたページをWEB上から直接見るこができるようになることで、保護者への報告の負荷を減らすことができます。
【規模別】生徒管理システムに必要な機能
ここまでは生徒管理システムの主な機能に関して説明してきましたが、すべての塾ですべての機能が必要というわけではありません。
生徒数が少なければアナログで管理できる部分も多いため、多機能のシステムを導入した結果持て余してしまうこともあるでしょう。
本項目では、どの程度の規模からどの機能を使う必要が出てくるのかを解説していきます。
生徒数0~30人
生徒数が教室1クラスに満たないうちは、アナログで全て管理していても大きな負担になることはないでしょう。
毎月の収益に対してシステムにかかる費用が多くなってしまったり、システムを使うより直接連絡したほうが楽な場合も多いので、最終的な規模が30名に満たないのであればシステムの導入を積極的に検討する必要はないでしょう。
生徒数30~100人
必要な機能
- 月謝徴収
- 成績管理
生徒数が30人を超えてくると、それぞれの成績や月謝の徴収状況を覚えておくのが難しくなります。
このレベルの人数であれば運営者が講師を兼任していることも多く、授業の合間にお金回りの管理を行うのが煩雑になってきます。
最終的な生徒数が100名近くになることが想定されるのであれば、最低でも月謝の徴収だけはシステム化しておくことをお勧めします。
生徒数100~500人
必要な機能
- 月謝徴収
- 成績管理
- 出欠管理
- 講師管理
- 指導管理
生徒数が100名を超えてくれば、生徒それぞれの成績や出欠状況をアナログで管理するのはかなり難しくなってきます。指導記録も講師それぞれが日誌で管理していると運営側から把握ができないため、システム上に残しておく方がよいでしょう。
また、生徒数に合わせて講師の人数も増えていくため「誰が、どの授業で、いつ出勤し、どの生徒を担当しているのか」といった講師自身を管理する機能も必要になってきます。
生徒数500人~
必要な機能
- 月謝徴収
- 成績管理
- 出欠管理
- 講師管理
- 指導管理
- 教室管理
生徒数が500名を超える頃には講師の数も増え、複数の教室で運営するようになってきます。
教室毎の売り上げや、どの教室の生徒なのかといった教室管理の概念が生まれてくるため、最終的にこの規模を目指すのであれば、教室管理機能の有無や、店舗管理を行えるシステムとの連携が可能かどうかもチェックしておくべきでしょう。
【2022年最新版】塾の生徒管理に使えるシステム7選
ここまでは生徒管理システムに求めるべき機能の説明をしました。
ここからは、実際に塾でよく使われている管理システムをご紹介していきます。それぞれ機能の違いや強みがありますので、ここまで説明した選定基準を参考にしながら比較してみてくださいね。
会費ペイ

会費ペイは、月謝の徴収部分に強みを持ったサービスです。
塾向けに特化しているわけではありませんが、汎用性が高くフィットネスやスクールを中心に様々な業種で利用されています。
初期費用・月額費用0円で導入が可能なので、生徒数200名ほどの小・中規模な塾であれば一度検討してみるといいでしょう。
料金
初期費用 | 0円 |
月額費用 | 0円 |
その他費用 | システム利用料①/決済金額の3.5% システム利用料②/1決済当たり100円 |
機能
月謝徴収 | 〇 |
成績管理 | △ |
出欠管理 | ✕ |
講師管理 | 〇 |
指導管理 | ✕ |
教室管理 | 〇 |
その他の特徴的な機能 | ・入退館管理 ・入会申込フォーム ・メール配信 など |
Comiru(コミル)

Comiru(コミル)は、5教科(国語・算数/数学・理科・社会・英語)を指導対象としている学習塾向けに提供されている会員管理システムです。
一般的な生徒管理や決済機能に加え、親御さんとのコミュニケーション機能や成績管理の機能が充実していることも特徴です。
講師側の非常に煩雑な作業である指導報告書の作成も自動化してくれるため、5教科を指導対象としている学習塾であれば一度検討してみると良いでしょう。
料金
初期費用 | 30,000円/教室あたり 50,000円/口座振替利用の場合 |
月額費用 | 300円/生徒一人あたり 3,000円/口座振替利用の場合 |
その他費用 | 1.7%~/カード決済手数料 68円/口座振替1件あたり |
機能
月謝徴収 | 〇 |
成績管理 | 〇 |
出欠管理 | 〇 |
講師管理 | 〇 |
指導管理 | 〇 |
教室管理 | 〇 |
その他の特徴的な機能 | ・保護者のLINEや専用アプリにプッシュ通知が可能 ・作成した指導報告の既読率・返信率を確認可能 など |
wagaco

wagacoは、完全無料で導入できるという驚きの生徒管理システムです。
成績管理や出欠管理など一通りの機能を揃えているだけでなく、保護者向けのアプリも用意されています。ただし月謝徴収の機能は持っていないので、お金回りの管理だけは別途行う必要があります。
料金
初期費用 | 0円 |
月額費用 | 0円 |
機能
月謝徴収 | ✕ |
成績管理 | 〇 |
出欠管理 | 〇 |
講師管理 | 〇 |
指導管理 | 〇 |
教室管理 | 〇 |
その他の特徴的な機能 | ・保護者向けアプリ ・入退館管理 ・メール配信 など |
マイクラス

マイクラスは、一通りの生徒管理機能に加えて、教室の空き状況管理や講師への謝礼金支払いといった様々な機能を備えているのが特徴です。
機能面がリッチな分コストも高めですが、教室や講師の数が非常に多い大型の塾を運営しているのであれば、検討してみてもいいでしょう。
料金
初期費用 | 95,000円~ |
月額費用 | 40,000円~ |
その他費用 | 別途決済手数料 その他オプション費用 |
機能
月謝徴収 | 〇 |
成績管理 | 〇 |
出欠管理 | 〇 |
講師管理 | 〇 |
指導管理 | 〇 |
教室管理 | 〇 |
その他の特徴的な機能 | ・謝金支払 ・日報/月報作成 ・予約管理 など |
プラチナスクール

プラチナスクールは、生徒管理の機能に加えて、オンライン授業の配信にも対応できるサービスです。
生徒に対してオンラインレッスン受講用のURLを自動で送付してくれるため、非接触でのサービス提供が非常に楽になります。
ただし月謝徴収の機能は持っていないので、お金回りの管理だけは別途行う必要があります。
料金
初期費用 | 50,000円 |
月額費用 | 10,000円~62,000円 ※生徒数1000名以上の場合、1000名ごとに+15,000円 |
その他費用 | 別途決済手数料 その他オプション費用 |
機能
月謝徴収 | ✕ |
成績管理 | 〇 |
出欠管理 | 〇 |
講師管理 | 〇 |
指導管理 | 〇 |
教室管理 | 〇 |
その他の特徴的な機能 | ・入金管理 ・予約管理 ・振替受講管理 など |
Kazasu
Kazasuは顔写真付きで生徒の入退室管理を行う生徒管理システムです。
また、通塾の記録を写真付きのメールで保護者の方に連絡する機能もあります。
面談等のイベント予約機能も付いており、保護者とのコミュニケーションに力を入れたい塾におすすめの生徒管理システムです。
通塾メール
通塾メールは塾用の入退室メール配信システムです。
生徒の通塾状況をメールにて保護者の方にお知らせすることが出来るので安全に配慮した生徒管理システムになります。
最大100種類のメールテンプレートが作成出来るのでメールでのコミュニケーションを重視している塾におすすめの生徒管理システムです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は生徒管理システムを導入することでどんなことができるようになるのかに加え、現在生徒管理によく使われているシステムをご紹介させていただきました。
本記事を参考に、みなさまの運営する塾に合った管理システムをみつけてみてくださいね。