フィットネスジムやコワーキングスペース、オンラインサロンやスクールといった会員制のビジネスを運営していくうえでどうしても避けて通れないのが「会員の管理」ですよね。
名前や住所といった個人情報に加えて、入会のきっかけや来店履歴など管理しておきたい項目は多岐にわたります。
会員数の増加に伴って手書きの名簿やエクセルでの管理に限界を感じ、会員管理システムの導入を検討される方も多いのではないでしょうか?
本記事では現在よく利用されている会員管理システムのご紹介に加え、会員管理の主要な機能・使うメリット・選び方についてご紹介していきます。
本記事を参考に、自分に合った会員管理システムを探してみてください。
会員管理システムでできること
会員管理システムを利用するとどのようなことができるようになるのでしょうか?
紙やエクセルでの管理と比べてどのような点が便利になるのかを確認しておきましょう。
会員データベースの作成・管理
メインの機能はもちろんこちら。
会員様の氏名や住所、電話番号といった情報をデータベース形式で管理してくれます。
入会申込フォームがセットになったシステムであれば、自動的に会員データを作成でき、申込書に書かれた内容を名簿に書き写す・エクセルに打ち直すといった作業も無くすことができます。
請求・入金の管理
会員数が増えてくれば集金が大変になるのはもちろん、貰うべきお金をしっかり貰えているかを確認するのも一苦労です。
会員管理システムを導入すれば会員のデータベースと請求に関する情報が紐づくため [いつ・だれに・何のお金を] もらっているのかが簡単に管理できるようになります。
会員とのコミュニケーション
重要な連絡を行うためのメール配信機能や、会員様とのチャット機能などを有している会員管理システムもあります。
お子様向けスクールに特化したものであれば、お子様がスクールに到着したタイミングで親御さんへ通知を行うなといった嬉しい機能を備えているものもあります。
会員管理システムを使うメリット
会員管理システムを使うメリットは主に4つあります。
- 会員管理の手間を減らし会員管理を効率化
- 入力方式や項目設定を共通化出来、属人化防止
- セキュリティ面で安全
- 集客力強化
会員管理の手間を減らし会員管理を効率化
1つ目は会員数が増えるに応じて増える手間を減らし会員管理の効率化が行えます。
また、スプレッドシートやエクセルでの管理に比べて手動で作業することが少ないのでミスを減らすことも出来ます。
入力方式や項目設定を共通化出来、属人化防止
2つ目は入力方式や項目設定をシステムで共通化出来るので属人化を防ぐことが可能です。
データフォーマットが整っているため、メルマガの送付やDMでの案内等に必要なデータ等も簡単に取り出すことが出来ます。
セキュリティ面で安全
3つ目はシステム側でセキュリティ管理しているため、手動作業等に比べてセキュリティ面で優れています。
集客力の強化
会員管理システムでは会員の管理だけでなく集客の強化も行えます。
各システムにより出来ることに差はありますが、メール・LINE等を連携させて集客の強化を行うことが出来ます。
また、会員管理システムにある利用履歴等を見て送信内容を決めることが出来るため各ユーザーさんに適切なアプローチをすることが出来るので効率的な集客が実現出来ます。
会員管理システムの選ぶ際のポイント
「自社に合った会員管理システム」を選ぶには、会員管理システムが持つ機能だけでなく、自社が運営するサービスの内容を整理することが大切です。
ここの選び方を失敗すると、せっかくシステムを導入したのにアナログな事務作業が残ってしまったり、システム側の制限のせいで逆にサービスが運営しづらくなってしまうようなことも起こりえます。
本項目では、会員管理システムを選ぶ際に特に気にしておいた方がいいポイントをまとめてありますので、自分の運営するサービスを思い浮かべながら読んでみてくださいね。
入会申込の方法
入会申込の手続きはどのように行っている、またはどのように行いたいのでしょうか。
紙の申込書で手続きする場合は、申込書の情報を手入力したりインポートする機能が必要になります。
システムの導入を期に入会申込のWEB化をお考えであれば、入会申込フォームを備えた会員管理システムを選ぶと良いでしょう。
対面で案内することが多いのであれば、QRコードなどでスムーズに入会申込フォームを案内できる機能があると良いですね。
システムから発行する入会申込フォームで、現在の申込書と同じ情報が取得できるのかもチェックしておきましょう。
決済機能が必要かどうか
会員管理システムには、そのシステム内で月謝や月会費を決済できるものも存在します。
会員数が少ないうちは月謝袋や銀行振込での集金でも大きな問題はありませんが、会員数が増えてくれば集金だけでもかなりの負担になります。
口座振替やクレジットカード決済といった決済システムだけを導入する選択肢が出てきますが、そのままだと請求データのアップロードや入金状況と会員情報の紐づけは手作業で行う必要があります。
そんな時、会員管理システムに決済の機能があれば、自動的に毎月の会費徴収を行ってくれたり、入金状況を自動的に反映してくれます。
極力事務作業を行いたくないという場合は、決済機能を持った会員管理システムを選ぶといいでしょう。
会員数
運営しているサービスの規模によっても必要な機能は変わってきます。
規模が小さい打ちはある程度アナログな作業が残っていても負担は少ないですが、月の入会者数が30名を超えてくれば、申込情報を名簿やエクセルに移すだけでも負担になってきます。
以下に、大まかな会員数と負担になりやすい業務をまとめていきます。
会員数0~50名
月の入会者も多くなく、システムを導入せずともそこまで大きな負担はありません。ただ、会員数が40名を超えてきたあたりから、月末に行う集金や入金確認の業務の負担が大きくなってきます。月会費の回収に口座振替を導入するケースも出てくるでしょう。
会員数50~100名
集金や入金確認の業務が明確に負担になってきます。現金回収や銀行振込の入金確認が難しくなり、催促の件数も増加します。このあたりから口座振替を導入することが多くなります。
会員数が100人になるころには月の入会者数も10名以上になっているので、入会手続きにかかる負担も増えてきます。
特に、口座振替を導入した場合は、振替依頼書への捺印依頼や内容の確認、金融機関への郵送など、自動引き落としの開始までにかかる業務の負担が大きくなってくるでしょう。
会員数100~300名
この規模になる頃には、月会費の回収はほぼ口座振替などの自動引き落としになっていますが、残高不足による引き落とし失敗などの件数も多くなってきます。
一般的に口座振替では10%ほどが引き落としが失敗すると言われており、催促だけでも毎月30名近くに連絡しなければいけません。
また「会員管理はエクセル、集金は口座振替」というように2つのシステムに情報が分かれてしまっている場合、口座振替の入金結果をエクセルに反映していくという作業も発生します。
月の入会者数も20~30名ほどに増えているため、振替依頼書にかかる業務はもちろん、申込情報をエクセルに打ち直すだけでも一苦労です。
会員数300名~
この規模になると、店舗型のサービスの場合複数店舗で運営しているケースが増えてきます。それに伴って、会員様それぞれの情報に加えて店舗ごとの売り上げ管理も行う必要が出てきます。
会員数1000名以上となれば、口座振替の導入していても月の引き落とし失敗が100名近くになってしまうので、より失敗率の低いクレジットカード決済の導入も必要になるでしょう。
複数のシステム間でデータを移す作業だけでも相当な負担になるので、入会手続き・会員データベースの作成・請求の管理を一元管理できるシステムが必須になってきます。
実店舗なのかオンラインなのか
サービスの提供形態が実店舗なのかオンライン上なのかによっても、管理すべき項目や必要な機能は変わってきます。
実店舗で運営する場合は、対面での入会案内がしやすかどうかが重要になり、サービス内容によっては入退館管理が必要になるケースもあります。
オンライン上でサービスを提供する場合は基本的に書面を扱うこととができないので、WEB上で入会手続きや支払方法の登録を完了させる必要があります。
クレジットカード決済への対応も必須になるでしょう。
顧客管理で扱いたい情報
ここまでは、どんなサービスでも共通して検討しておくべきポイントをご説明しましたが、サービスによって独自の情報を管理したい場合もあります。
今回は、主要な月会費制サービスにおいて管理が必要になることが多い独自の項目についてご説明します。
初期費用や固定費が必要になるケースが多くなりますが、以下に挙げるような業種ごとに特化した機能が欲しい場合は、特化型のシステムを検討してもいいでしょう。
スクール

子供向けのスクールの場合は、成績管理の機能や子供の入退館を親御様に通知する機能などが必要になることがあります。
数年間に渡って通うことが想定される場合などは、指導記録を残す機能などもあると嬉しいでしょう。
フィットネス・スポーツジム

24時間利用可能なフィットネスジムの場合、無人の時間も利用できるようにするために入退館管理や鍵との連動が必要になることが多いです。
パーソナルトレーニングがメインの場合は、指導記録や会員様のパーソナルデータを管理する機能があると嬉しいでしょう。
コワーキングスペース

コワーキングスペースの場合は入退館管理が必要になるケースが多いでしょう。無人運営を検討している場合は鍵との連動も必要になります。
WEB上からの申し込みを受け付ける場合、会員証を自動発行する機能などもあると嬉しいでしょう。
法人会員が多くなる場合は、領収書発行の機能も必要になることが多いです。
協会・学会・ファンクラブ

会費の支払が月ではなく年ごとになることが多いため、年会費の自動徴収に対応しているかどうかがポイントになります。
【2022年最新版】会員管理システム12選
会費ペイ

特徴
会費ペイは、会費制サービスの運営に必要な [入会申込・会員管理・請求・入金管理] を全て一元管理できるのが特徴です。
汎用性が高く、フィットネスやスクールを中心に様々な業種で利用されています。
月会費、年会費どちらの決済にも対応、支払方法もクレジットカードと口座振替どちらも利用可能で、決済が失敗した際も自動で催促を行ってくれるなど、ほとんどの事務作業を自動化してくれます。
スマートロック「akerun」や会計システムの「freee」との連携も可能で、鍵の付与や入金後の経理業務まで自動化することもできます。
料金
初期費用 | 0円 |
月額費用 | 0円 |
その他費用 | システム利用料①/決済金額の3.5% システム利用料②/1決済当たり100円 |
機能
入会申込フォーム | 〇 |
会員データベース作成 | 〇 |
決済機能 | 〇 |
メール配信 | 〇 |
予約管理 | ✕ |
入退館管理 | 〇 |
会員証発行 | 〇 |
シクミネット
特徴
シクミネットは、同窓会や学会といった年会費制のサービスに特化した会員管理システムです。
入会手続きや会費決済のほかに、月ごとの定例会のようなイベントの管理の機能が充実していることが特徴です。
料金
初期費用 | 200,000円~ |
月額費用 | 30000円~ |
その他費用 | オプション設定によって追加料金あり |
機能
入会申込フォーム | 〇 |
会員データベース作成 | 〇 |
決済機能 | 〇 |
メール配信 | 〇 |
予約管理 | ✕ |
入退館管理 | ✕ |
会員証発行 | ✕ |
STORES 予約

特徴
STORES 予約は、予約管理の機能に特化したシステムです。
定期決済の機能も持っているため、レッスンの予約が必要なスクールやヨガスタジオなどを中心に導入されています。
レッスン予約の管理が必要な場合は必ずチェックしておくといいでしょう。
料金
初期費用 | 0円~ |
月額費用 | 0円~ ※予約件数に応じて 4,980円/200件まで 19,980円/1000件まで 50,000円/3000件まで |
その他費用 | 決済手数料4.9% その他オプション料金 |
機能
入会申込フォーム | 〇 |
会員データベース作成 | 〇 |
決済機能 | 〇 |
メール配信 | 〇 |
予約管理 | 〇 |
入退館管理 | ✕ |
会員証発行 | ✕ |
MiiT+(ミータス)
特徴
MiiT+(ミータス)は、ファンクラブ、協会・学会、OB・OG会の運営に特化した会員管理システムです。
一般的な会員データベース作成や決済機能に加え、会報誌を送付するためのラベル作成機能やイベントの出欠確認を行う機能を持っているのが特徴です。
料金
初期費用 | 0円 |
月額費用 | 0円 |
その他費用 | 8000円以下の決済の場合 /1決済当たり400円 8000円以上の決済の場合 /決済金額の5% |
機能
入会申込フォーム | 〇 |
会員データベース作成 | 〇 |
決済機能 | 〇 |
メール配信 | 〇 |
予約管理 | ✕ |
入退館管理 | ✕ |
会員証発行 | 〇 |
スマートコア
特徴
スマートコアは、学会や協会、OB会といった団体向けに、会員管理システムと会員制のWEBサイトを提供しているシステムです。
会員の入会受付やデータベース作成に加え、会員のみがログインして会員間の交流ができる会員制SNSのようなWEBサイトを作成することができます。
オンライン上でコミュニティを運営する場合にも使いやすいシステムです。
ただし、決済機能自体を持っているわけではないので、別途決済システムを契約して連携を行う必要があります。
料金
初期費用 | 0円~ 独自ドメインや導入サポートに応じて変動 |
月額費用 | 13,250円~ |
その他費用 | その他オプション料金 |
機能
入会申込フォーム | 〇 |
会員データベース作成 | 〇 |
決済機能 | ✕ |
メール配信 | 〇 |
予約管理 | ✕ |
入退館管理 | ✕ |
会員証発行 | 〇 |
ROBOT PAYMENT
特徴
ROBOT PAYMENTは決済をメインに扱う会社ですが、決済と連動した顧客管理システムも提供しています。
実際に運用する際はROBOT PAYMENTが提供する複数のシステムを連動させていくため、初期設定が煩雑にはなるものの、自由度の高い設定が可能です。
料金
初期費用 | 個別見積もり |
月額費用 | 個別見積もり |
その他費用 | 個別見積もり |
機能
入会申込フォーム | ✕ |
会員データベース作成 | 〇 |
決済機能 | 〇 |
メール配信 | 〇 |
予約管理 | ✕ |
入退館管理 | ✕ |
会員証発行 | ✕ |
SMOOSY
特徴
SMOOSYは学会向けに作成された会員管理システムです。
「名簿管理」と「会費管理」に特化しており、学会の会員管理状況や課題・予算感に応じて4つのプランから自分に合ったプランを選択できます。
また、学会サイトの構築を支援してくれるのもポイントで、WEBサイトもこれから用意したいという場合は検討してみてもいいでしょう。
料金
初期費用 | 0円 |
月額費用 | 10,000円~ |
その他費用 | 見積もりに応じた決済手数料 |
機能
入会申込フォーム | △※プランによる |
会員データベース作成 | 〇 |
決済機能 | △※プランによる |
メール配信 | 〇 |
予約管理 | ✕ |
入退館管理 | ✕ |
会員証発行 | ✕ |
Comiru(コミル)

特徴
Comiru(コミル)は、学習塾向けに提供されている会員管理システムです。
一般的な会員管理や決済機能に加え、親御さんとのコミュニケーション機能や成績管理の機能が充実していることも特徴です。
また、講師側の非常に煩雑な作業である指導報告書の作成も自動化してくれます。
5教科(国語・算数/数学・理科・社会・英語)を指導対象としている学習塾であれば一度検討してみると良いでしょう。
料金
初期費用 | 30,000円/教室あたり 50,000円/口座振替利用の場合 |
月額費用 | 300円/生徒一人あたり 3,000円/口座振替利用の場合 |
その他費用 | 1.7%~/カード決済手数料 68円/口座振替1件あたり |
機能一覧
入会申込フォーム | 〇 |
会員データベース作成 | 〇 |
決済機能 | 〇 |
メール配信 | 〇 |
予約管理 | ✕ |
入退館管理 | 〇 |
会員証発行 | ✕ |
会費.com
会費.comは、手軽にカード決済が導入できる会費徴収システムです。
初期費用が発生しないため、安価に導入できることが特徴です。
料金
初期費用 | 0円 |
月額費用 | 1,000円 |
その他費用 | 決済手数料5%~ その他オプション料金 |
機能
月会費の徴収 | 〇 |
年会費の徴収 | ✕ |
クレジットカード決済 | 〇 |
口座振替 | ✕ |
コンビニ決済 | ✕ |
自動催促 | ✕ |
その他特徴的な機能 | ・会員管理 ・メール配信 ・会員マイページ など |
ゼウス決済
ゼウス決済はSBIグループの株式会社ゼウスが提供する会費徴収システムです。
クレジットカード決済、コンビニ決済、銀行振込決済、ペイジー決済、口座振替決済、オンライン電子マネー決済、後払い決済等を使うことが出来ます。
会員システムとの連携が出来るため、オンラインレッスン・施設利用料の徴収等におすすめの会費徴収システムです。
SELECTTYPE
Stripe社の決済代行システムを使用しています。
会員向けにクレジットカードによる月会費(月謝)・年会費払いなど継続課金を自動処理するサブスク(継続課金)サービスの提供ができるシステムとなっています。
予約フォームやメールフォーム、アンケートの作成から予約システム付きのホームページまで幅広く対応。
レンタルスペースやエステサロン、整体等さまざまな業態で利用されています。
決済手段はクレジットカードのみですがスタッフ指名ができる予約システム、メルマガ配信、顧客解析機能、予約統計といった、新規顧客獲得につながる機能が多数ありマーケティングに活かすことも出来ます。
MOSH
フィットネスやヨガなどのオンラインレッスンの販売に特化した予約サイト作成ツールです。
スマホだけでもサイトを作成することができるため個人でもすぐにオンラインレッスンの販売が始められます。
スポットのオンラインレッスン販売だけでなく、継続課金を自動処理するサブスク(継続課金)にも対応しています。
会員限定の動画配信やブログ投稿、オンラインサロンの開設にも利用できます。
会員管理に使えるシステムまとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は現在よく利用されている会員管理システムのご紹介に加え、会員管理にシステムの主だった機能や選び方についてご紹介させていただきました。
本記事を参考に、自分に合った会員管理システムを探してみてくださいね。