スクールやフィットネスジムといった月額制のビジネスにおいて月謝を回収する手段として「口座振替」という言葉をよく耳にします。
公共料金の支払いやクレジットカード利用分の引き落としに使われているので、お金を支払う側として一度は利用したことのある決済方法です。しかし、お金を回収する側として使用したことはないですよね。
自分で月額制のビジネスを始めるにあたって口座振替でお金を回収したいけれど「そもそも口座振替ってどういうもの?」「導入するための手続き方法や、ほかの決済方法と比べたメリットは?」本記事では、そんな口座振替を導入する際に気になるポイントを、「会費ペイブログ」を運営している「会費ペイ」チームが誰にでもわかるように解説していきます。
そもそも口座振替とは?
まずは口座振替について詳しく知らない方のために「そもそも口座振替とは何なのか」についてご説明します。
指定した金額をお客様の銀行口座から直接引き落とす方法
口座振替とは、消費者の保有する金融機関の口座から、商品やサービスに対する料金が自動的に引き落とされ、事業主に支払われる仕組みのことを言います。
自動振替とも呼ばれ、月謝や家賃といった毎月の集金によく用いられる方法です。
お客様からすると毎月料金を振り込む手間が省けるといったメリットがあり、事業者側からしても集金に必要な手続きを大幅に削減できるメリットがあります。
銀行振込との違いは?
では、口座振替と銀行振込との違いは何なのでしょうか。それは、「お客様が送金を行う工程があるかどうか」です。
銀行振込の場合、お客様は支払いがあるたびに自分の口座から事業主の口座に向けてが送金を行わなければならず、事業者側も毎月振込用紙を用意してお客様に発送する必要があります。
導入にあたってこれといった手続きが必要ないのが魅力ですが、お客様からすると毎月の送金が面倒で、支払いが漏れてしまうことも少なくありません。
事業者側としても、振込用紙の送付や支払漏れの管理といった煩雑な作業が増えやすいのが難点です。
また、銀行振込の場合は入金確認も名義を参考にひとつひとつ行わなければならず、非常に時間がかかります。
口座振替の場合は、後述の通り最初に登録こそ多少手間がかかるものの、お客様の口座から自動的に引き落としが行われ、引き落としの結果も管理画面から一目でわかるります。
お互いに手間が掛からず、集金にかかる時間を大幅に削減できます。
良く使われるケース
口座振替はどのようなケースで多く利用されているのでしょうか。例を挙げると以下のようなものがあります。
・電気・ガス・水道代などの公共料金
・クレジットカードの利用分
・習い事の月謝
・フィットネスジムなどの月会費
・家賃
このように、毎月料金の回収が必要な場合において、口座振替が利用されています。
前述のとおり、銀行振込だとお客様が支払いを忘れてしまうことがあり、それを管理していくだけでも一苦労です。
支払い忘れに悪気が無い方も多く、都度催促するのも気が引けます。
そういったストレスをなくすためにも、4か月以上支払いが続くようであれば口座振替は積極的に導入したほうが良いでしょう。
口座振替の導入方法は?
口座振替が何かわかったところで、どのようにして口座振替を導入すれば良いのでしょうか。次は口座振替を導入する方法をご紹介します。
決済代行会社と契約する
一つが、決済代行会社を利用する方法です。代行会社がさまざまな金融機関と提携しており、事業者は代行会社と契約さえすれば、提携しているすべての銀行で口座振替が可能です。全ての手続きを一本化することが可能になるため、事業者にとって非常に便利なサービスであると言えます。
また、クレジットカード決済なども同時に導入出来るといったメリットもあります。
金融機関と直接契約する方法もありますが、小規模事業で契約すると手数料が高くなってしまう点や他の支払方法は別途契約する必要があることなどから、あまり行う人は多くないようです。
口座振替が含まれた決済系サービスを利用する
もう一つが、口座振替の機能もついたパッケージサービスを利用する方法です。
口座振替を直接契約せずとも、世の中には決済機能を含んだ様々なサービスが存在します。
中にはスクールやフィットネスジムといった継続課金を行う事業者向けに提供されているサービスもあり、WEB入会申込フォームや顧客管理機能といった、事業の運営をより便利にするシステムに加えて、定期決済の機能も持っています。
多くの場合、口座振替だけではなくクレジットカードへの定期決済にも対応しています。
代表的なものとして
・塾の運営に特化し、成績管理や保護者とのコミュニケーション機能を備えた「Comiru」
・入会手続きや会員管理、月々の請求から催促までを全て自動化する「会費ペイ」
・集金機能に特化した「月額パンダ」
などがあります。
それぞれのシステムを別で契約していくよりも圧倒的に手間もコストもかからないので、自身の運営している事業体に適したものがあれば優先的に検討するとよいでしょう!
おすすめは会費ペイ

会費ペイは、会費制サービスの運営に必要な [入会申込・会員管理・請求・集金・入金管理] を全て一元管理できるのが特徴です。汎用性が高く、フィットネスやスクールを中心に様々な業種で利用されています。
WEB口座振替はもちろん、5ブランド全てのクレジットカードも利用可能で、決済が失敗した際も自動で催促を行ってくれます。
スマートロック「akerun」や会計システムの「freee」との連携も可能で、入退館管理や鍵の付与、入金後の経理業務まで自動化することもできます。
・料金
初期費用 | 0円 |
月額費用 | 0円 |
その他費用 | システム利用料①/決済金額の3.5% システム利用料②/1決済当たり100円 |
引き落としをスタートさせるには?
導入方法が分かったところで、実際に引き落としを始めるにはどうすれば良いのでしょうか。ここからは、その手順をご紹介していきます。
お客様の口座を登録する
引き落としを始めるには、まずお客様に口座を登録してもらわなければなりません。その際大きく分けて「振替依頼書」「WEB口座登録」「ペイジー端末での登録」の3つの方法があります。
振替依頼書
一つ目は、振替依頼書を作成し口座登録の申込みをする方法です。クレジットカードの契約を行う際などにも使う、最もメジャーな方法です。
まずお客様が口座の振替依頼書を書き、捺印して事業主に郵送または手渡しします。それを受け取った事業主はその後、依頼書を金融機関や決済代行会社へと送付します。
特に不備が無ければ1か月から2か月後に引き落としが始まります。
最もメジャーな手法ですが、記入に銀行員が必要だったり、内容に不備があれば、お客様の元へ依頼書を送り返し、再度記入し直してもらう必要があるなど、煩雑な作業になりやすいというデメリットもあります。
WEB口座登録
二つ目は、WEBで登録の手続きを行う方法です。お客様がWEBサイトの登録画面から、必要な情報を記入して、その場で登録を済ませるといった方法です。
近年ではPayPayやLINE PAYといったキャッシュレスアプリでも使われているので、アプリに口座を連携する際に使用したことがある人もいるのではないでしょうか?
WEB上で登録が完結するため、お客様も事業者もお互いに手間を省くことができます。また、振替依頼書のように郵送にかかる時間も必要ないため、手続きにかかる時間を大幅に削減できるのです。
もし記入にミスがあった場合は、情報を打ち込み直さなければ提出ができない仕組みになっているため、後から記入漏れや打ち間違いが見つかるといった心配もありません。
また、書類を紛失してしまうといったリスクもないため安心です。
デメリットとしては、WEB上での操作となるため、高齢の方やコンピュータの扱いに慣れていない方の場合少し苦戦する可能性があることが挙げられます。
ペイジー端末
ペイジー端末という専用の端末を使って登録するという方法もあります。端末にお客様のキャッシュカードをスキャンして、暗証番号を打ち込むことで、その場で口座情報の設定を完了することができます。
口座振替依頼書の作成も不要なのに加えて、その場で口座振替が完了するため非常に便利な方法です。
デメリットとしては、導入にあたって端末の契約が必要で、初期費用や月額料金が発生することです。
初期費用は契約台数や決済件数などによって変動しますが、小規模の事業で契約しようとすると、数十万円を求められることもあります。
請求情報を作成し、アップロードする
お客様の口座情報を登録し終わったら、口座振替を依頼するための請求データを管理画面からアップロードします。アップロードが終わったら、あとは引き落しされるのを待ちます。
管理画面で、請求結果を確認する
指定の引き落とし日になると、アップロードした請求金額がお客様の口座から引き落とされます。引き落としから約4営業日ほどで口座振替の管理画面に請求結果が反映されます。
結果を確認し、引き落としに失敗しているものがあれば催促などを行う必要があるでしょう。
いつお金が入ってくるの?
お客様の口座から引き落としが行われてから事業者に入金されるまで「どのくらいの期間がかかるのか」について解説します。
引落から入金までのスケジュール
入金までの期間は、およそ引落しから1週間以内。引落日や入金日は金融機関会社ごとに変わるため、それがいつなのか一概には言えませんが、引き落としは毎月25日〜27日あたりに行われることが多いようです。
決済代行会社を利用した場合、引落日や入金日などのスケジュールを全て一本化することも可能です。
口座振替以外の決済手段は?
ここまで口座振替についてご説明してきましたが、そもそも口座振替以外にはどのような決済手段があるのでしょうか。
今回は月謝の回収に適した2つの決済方法とそれぞれのメリット・デメリットも併せてご紹介します。
クレジットカード定期決済
クレジットカード定期決済とは、お客様がカード情報を事前に登録し、そのカードへ定期的に決済をかけていく方法です。携帯電話の料金や、Apple music、Netflixといったサブスクリプションサービスの支払方法にご自身のクレジットカードを登録されている方も多いのではないでしょうか?
メリット
振替依頼書やWEB口座登録に比べても、支払情報の登録が圧倒的に楽なのが特徴です。AmazonやZOZOTOWNといたったECサイトへの登録で慣れているお客様も多く、ポイントが付く点も非常に喜ばれやすいです。
口座振替に比べても決済の失敗率がさらに低く、未収金の管理やお客様への催促といったコストが最も少ないことも大きなメリットと言えるでしょう。
デメリット
デメリットはコストの増加です。
導入手続きの費用や維持費、決済手数料といった料金がかかり、1決済あたりのコストは口座振替より高額になることが多いようです。
キャリア決済
キャリア決済とは、お客様が携帯電話やインターネット回線などの通信料金と一緒に、購入した商品の代金を支払うことができるサービスです。
ゲームやWEBコンテンツといった少額の課金によく導入されるサービスです。
メリット
決済の手続きがWEB上で完結するため、スムーズに手続きを行うことができます。お客様にとって便利な方法であるため、商品を購入してもらいやすくなるでしょう。また、通信料と併せて毎月代金が支払われるため、未回収のリスクが低い少ないこともメリットとして挙げられます。
デメリット
お客様の決済上限が5万円や10万円までと低めに定められている場合が多く、高額な商品の販売には向いていません。また、決済手数料がクレジットカード決済に比べて高いことなどがデメリットとなるでしょう。
まとめ
今回の記事の内容をまとめました。
・口座振込はお客様の口座から自動的に料金が引き落とされる仕組み
・消費者にとっても、事業者にとっても時間・手間が省けるというメリットがある
・口座振替導入は代行会社と契約するのがおすすめ
・口座振替以外の決済方法には、クレジットカード決済やキャリア決済などがある
今回の記事が皆さんのお役に立つことを願っています。